スタンバイ・スマイル:輪読会
2023-12-01T14:50:04+09:00
palmarosaK
影山なお子 ブログ
Excite Blog
「食」を語る書物を、ごちそうさま。
http://palmarosa.exblog.jp/29749599/
2023-11-22T01:06:00+09:00
2023-12-01T14:50:04+09:00
2023-11-21T13:03:32+09:00
palmarosaK
輪読会
2023年11月19日(日)、《栄養士のための輪読会》を開催しました。
(主催 パルマローザ 講師 大橋禄郎先生
会場 関内ホール 時間 11時~18時)
パルマローザで初めて輪読会を開催したのは、
2013年1月。
そのときのテーマは、
「『食品成分表』を読む。」でした。
栄養士であれば誰もが手にしたことがあり、
自宅や職場の身近な場所にある1冊。
にもかかわらず、
輪読会でみんなで読み合うことで、
「見えなかった情報がたくさんある」ことに
一同、驚いたことを覚えています。
それ以来、
みんなでリレー式に声を出して
読みあう輪読会のセミナーが、
パルマローザサークルで定着しています。
今回は、
以下の書物を大橋先生がご準備くださいました。
テーマは、
「人は、"食”をどう語ってきたか」
*『アジアの食文化』P21~28
「インド・タミルナードゥの食生活」
(秋野晃司・小幡 壮・澁谷利雄 編著
建帛社発行)
*『味覚の探求』 P194~205
(著者 森枝卓士 株式会社河出書房新社発行)
*『文藝春秋』2023年12月号 P338~346
(著者 秋元康 ロングインタビュー)
これまでも、
たくさん「食」に関する書物を
ご紹介いただいた先生ですが、
今回は、
アジアの食文化についての文章を
輪読し合いました。
そこには、
インドの人の食生活から生活習慣、
ライフスタイルまでもが載っており、
「まだまだ知らないことがたくさんある」
ことを痛感させられました。
参加者の中には、
特定保健指導の一環で
企業に訪問して食事相談をなさっておられる
フリーランスの栄養士さんがいらっしゃいます。
その方が
ご自身に起こったつい最近のエピソードを
反省をこめて私たちにお話しくださいました。
「インドの方の食事相談をさせていただいたんです。
その方が、『毎日カレーを食べている』と
おっしゃったので、
つい、うっかりこう聞いてしまったんです」
「毎日カレーで飽きないのですか」
クライアントのその方はご立腹気味に、
「日本人が毎日味噌汁を食べるのと同じですよ!!」
私たち栄養士は、
日本人だけを対象に食事相談をするとは限らず、
日本に住み、日本で働くいろいろの国の人の
食事相談や健康相談をすることも少なくありません。
前述のようなお話をお聞きしたとき、
「ああ、いろいろの食文化のお話が聞ける、
この輪読会のようなセミナーが、
各地にたくさんあるといいのに」と、
思わずにはいられません。
「インド料理」といっても、
北と南では料理そのもののスタイルが異なります。
北は小麦粉が収穫できるエリアのため、
日本人にもなじみの深いナンやチャパティ、
チャパティーを揚げた"プーリー”などが主食。
今回の文献では、
南インドのベンガル湾に面する州・
タミルナードゥの食生活が取り上げられました。
米の種類が豊富であり、
“ドーサ”とよばれる、
米と豆をペースト状にして塩を加え、
一晩おいて発酵させたものを薄く焼いた、
クレープのようなカタチ。
パリパリとした食感でカレーと合わせていただく主食。
その他
レモンライス、ココナッツライス、
トマトライス、ギーライスなどもあるという。
さっそく、この日のランチは、
横浜中華街の外れにある
インド料理専門店に行って、
みんなで、
ドーサ、レモンライス、ナンを主食に、
南インド料理と北インド料理を満喫しました。
その他
『味覚の探求』のエピローグでは、
「おいしいってなんだ」から輪読しあいました。
冒頭のシーンでは、
黒沢明監督の回想シーン。
「で、ひとことでいえば、
監督はこの映画で何を訴えたかったのですか」
「馬鹿なことを言うんじゃない。
一言で言えるようだったら、映画なんか撮りはしないよ」
と、名監督はそうおっしゃったのだとか。
で、この著者は、
「おいしいってなんなのか」
という問いかけに、著書の最後でこう終わる。
「ぼくにはまだ答えが見つからない」と。
輪読会の講師・大橋先生は、
こうおっしゃいます。
「『おいしい』は絶対的なものではなく相対的なもの。
どんなにおいしいものでも、
食べ続ければ飽きて、見るのも嫌になる。
また、ある人が『おいしい』と感じても、
ある人には『おいしいとは思わない』と感じるように。
しかし、このテーマを取り上げた以上、
そのおいしさを、コトバでしっかり表現しなければ!!」
このご本では、
引用の方法、「用字用語」の不適切箇所や、
「テクスチャー」というコトバより
日本人であれば「口当たり」「のどごし」「舌ざわり」「歯ざわり」
のほうがわかりやすい……などなど、
本を声を出して読んだからこそ見えてきた
文字のいろいろについてたくさんの発見がありました。
ちなみに、
著者は、文中で「そういった」「こういった」
というフレーズを使っている。
大橋先生は、こうしたフレーズも見逃すことなく、
「本来であれば、『そういった』は『そういう』に、
『こういった』は『こういう』でしょう」
と、国語学者としての知見を私たちにお示しくださったことも、
おおいに学びが深まりました。
(昔は、肉体労働をする男性などが使うことの多い言い回しだったとか)
最後は、『文藝春秋』の秋元康氏の"ロングインタビュー”。
前回の輪読会に続いて第2弾。
秋元康さんのロングインタビューは、
自分で自分をセルフインタビューするというもの。
前回の輪読会のときに、
初めて読ませていただき、
今回も楽しみにしていました。
ロングインタビューは、
「今回、秋元に呼び出されたのは、
『室町砂場』の赤坂店だ。
昼時は混雑するので、
客もまばらなこの時間を指定したのだろう」
という冒頭から始まります。
『室町砂場』は、
創業150年を誇る、
日本橋室町にあるおそば屋さん。
"天ざる""天もり”発祥の店という。
このそばやで一杯やりながら、
自分で自分をインタビューして、
読者に読ませるというユニークな試み。
秋元氏と親交のある
長島一茂氏、石橋貴明氏が
『天才は、確かに存在する』として
彼らの天才といわれるエピソードが紹介されています。
そしてユニークなのがココ。
対談場所であるそば屋の名店
『室町砂場』で
日本酒をたしなみながら、
そば前である、ねぎ焼きや玉子焼きを注文して
最後に、天ざると天もりを両方注文し、
自分で自分にこう問いかける。
「天ざる」と「天もり」の違いは?と。
江戸のそば屋は、
そば前からスタートして、
最後に、そばでしめる。
だから、そばの量は少なめ。
秋元氏が、
ざると、もりを2枚注文していましたが、
1枚の量が一般のおそば屋さんの
「小盛り」くらい。
最後に、そば湯で腹をくくり、
「そばぜんざい」でしめる。
食シーンが、
インタビューを中心に、
脇役ながら存在感を示す。
「ああ、『室町砂場』に行ってみたい」
『文藝春秋』の秋元氏の連載をご覧になった方は、
そう思われたのではないでしょうか。
3本の文章を読み、
自分では選ぶことができないご本を
読めたことに大々々満足の1日でした。
そして、
大橋先生から
他にも、「この本は買ったほうがよい」
とおすすめいただけるのもうれしい。
輪読会は、
栄養士として自分の「食」のフィールドを
たくさん広げることができる貴重なチャンス。
2023年の輪読会はこれで最後となりましたが、
2024年の輪読会も定期的に開催していきたいと
考えています。
輪読会が終わった後は、
居酒屋さんで焼き鳥を片手に、
生ビールや梅酒、サワーなどで乾杯。
昼はインド料理、夜は日本式スタイルで、
実践的な学びとなりました。
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栄養士は、いまもライフデザイン中。
http://palmarosa.exblog.jp/29532895/
2023-03-29T00:13:00+09:00
2023-03-30T20:49:44+09:00
2023-03-28T19:58:29+09:00
palmarosaK
輪読会
2023年3月26日(日)、≪栄養士のための輪読会≫を開催しました。
輪読会のテキストは、
『栄養士のためのライフデザインブック』
(監修/大橋禄郎 編者/影山なお子
医歯薬出版 2020年10月10日刊)
以下のページを輪読しました。
21章 栄養士会
P202
②地域活動栄養士会に入っているが、マンネリ気味で
続けてゆく意味が感じられない。どう考えればよいか。
23章 健康管理
≪問われる栄養士自身の「健康管理」≫
P228
⑥栄養士は、自身の健康をどのように管理すればよいか。
26章 栄養士の「ライフスタイル」は健康のお手本。
P254
④栄養士にとって余暇活動をすること、続けることに、
どんな意味があるのか。
上記の他に、オプションとして、
以下の記事をご紹介くださいました。
講師の大橋禄郎先生が、
以前、『海と島の旅』という月刊誌に連載された記事の1つ、
「海への旅の荷物は軽いほどいい、とは決められない」
『文藝春秋』2023年新年号に掲載された
「大型企画100年の100人」の中から抜粋した
黒澤 明氏を加山雄三氏が語る記事、
オノ・ヨーコさんを加藤登紀子さんが語る記事を読みました。
「輪読会」の利点は、
該当者が音読することで、
文章が黙読の100倍は、頭に入ってくること。
さらに音読箇所について、
いろいろの職域で働いている参加者の
リアルな生の声が聞けること。
読書は一般には黙読が当たり前で、
それによって充分に知識を吸収しているつもりですが
ほかの人が音読し、それをみんなで聞く、
部分部分で先生のご指摘(用字用語にまで及ぶ)や、
参加者の意見が入る、
という読み方をすると、認識が驚くほど深まります。
聞くところによると、
かつて文系大学のゼミでは、
外国の書物や研究論文、小説なども、
この形式をとるところが多かったそうです。
(いまはどうかしら?)
また、
1つの項目を、繰り返し読むことで、
掘り下げて考える能力を身につけることができるのも、
輪読会の利点でしょう。
今回、「栄養士会」の項目では、
実際に、栄養士会の役員をなさっておられる方や
この春から地域で栄養士会長をなさる方がおられることから、
栄養士会の実情を、
ご本と照らし合わせて伺うことができました。
お1人の栄養士さんからは、
「栄養士会の役員になるにあたって、
この『栄養士のためのライフデザインブック』には
ずいぶん助けられました」
「この本がなければ、どうさ迷っていたか」
というご意見をいただきました。
たとえば、それまでは、
役員の打ち合わせといえば、
日中の勤務時間帯に召集されるという慣例を、
「その時間帯はほとんどの人が働いているから、
夜に集まりませんか」と提案をし、変更したところ、
結果的には今まで以上、
多くの栄養士さんたちが集まってくれた、などなど。
「栄養士自身の健康管理」の項目では、
現在、短期で入院生活をなさっておられる
知人の栄養士さんの話題になりました。
入院する日までに、
「病院の寝間着のようなものだけは着たくない」と、
「明るい感じで、診察がしやすいように、
前開きのスポーツウェアを探してほしい」と依頼され、
上野のスポーツショップまで探しに行きました。
その結果、2着、入院生活の経験者・大橋先生に太鼓判をいただき、
その知人に2点、お渡ししました。
別の入院生活経験者に伺ったところ、
「私のいた病院は、とにかくみんなかわいい部屋着を着ていた」
という人もいらしたことから、
「服装から明るい気持ちになれるよう」に、
前述の栄養士さんは、
大型のスーツケースにたくさんのスポーツウェアをはじめ、
筋トレのグッズ、本などを詰め込んで持参されたのだとか。
事務のスタッフさんからは、
「このスーツケース、かわいい! 見入っちゃいました」看護師さんからは、「いま、靴下のニコニコ😃と目があっちゃいました!」
「すごい荷物ですね。どこかに旅をするかのよう」
と、指摘されたそう。
その栄養士さんは、そのとき、即答されたのだとか。
「ええ、このスーツケースには、
夢と希望が詰まっていますから」と。
看護師さんは、
驚かれたのではないでしょうか。
そして、大きな学びになったのではないでしょうか。
目の前の患者さんは、
「健康な患者さんなのだ」と。
輪読中の『栄養士のためのライフデザインブック』の
「健康の6大要素」の中には、
「身だしなみを整えて、家事や自分の仕事をしたり、
外出したり……」という記述があります。
「外出とは、
散歩、運動、レクリエーション、友人と会う、
映画・演劇・コンサートなどの鑑賞、
スポーツ観戦、図書館通い、講演会への参加など。
外出をしないときも、
ホームウェアのままで過ごすのではなく、
近所に出かけることのできる程度の服装で過ごす」
この記述どおり、
まさに、この方は、
入院生活においても、
身だしなみに気をつかい、
「毎日が楽しい」とメールをくださる。
「担当ドクターの感じがよい」
「タケノコご飯がおいしかった。
すべて完食しているので体重が心配」
「『お家カーブス』を動画で実践中。
ベッドの上で筋トレをしていると、
看護師さんから
『運動をしている人ですか』と聞かれた。
『ヤッター』と心の中で叫んだ」
「図書館には170冊の蔵書がある」
「でも、がん関係の本は1冊程度」
毎日を取材モードでお過ごしになられ、
その情報を惜しみなく送ってくださる。
知人の栄養士さんがおっしゃるには、
「余暇活動を通して、
仕事以外の居場所を築いていたからこそ、
いま、毎日、連絡ができる人たちがいて
心の健康が保たれています」
と、分析なさっておられます。
輪読会の講師・大橋先生は、
「活発な意見が出てよかった。
『食ジム』のようになったね」と
ご評価いただきました。
パルマローザでは、
いろいろのセミナーを開催していますが、
「輪読会がいちばん好き」とおっしゃる方も少なくありません。
読書に限らず、衣服でも食材でも、
モノを選ぶとき、どうしても自分の癖が出るものです。
その点、輪読会では、
自分が読まなかったページ、
存在さえ知らなかった本や雑誌の記事を
ご紹介いただくので、
視野が広がり、思考の幅が驚異的に広がります。
一生、出会うことがなかったはずの情報……
感性、思考、表現に接したお得感は、
プラスアルファの人生を行く喜びです。
新しい世界に飛び込む勇気はなかなかないけれど、
輪読会では、だれもが、自由な発想を手にいれることができる。
だから、楽しいのだと改めて実感した
2023年3月26日の「輪読会」でした。
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「行動あるのみ」――なので静かに……。
http://palmarosa.exblog.jp/27986365/
2020-02-28T17:21:00+09:00
2020-03-01T09:41:46+09:00
2020-02-28T16:45:18+09:00
palmarosaK
輪読会
2020年2月23日(日)~24日(月/祝)の2日間、
大橋禄郎先生が講師の研修会に参加しました。
1日目(23日)は、
大橋先生自らが主催される、「栄養士・健康支援者のための文章教室遠距離クラス」、
2日目(24日)は、
栄養士・健康支援者ネットワーク
≪パルマローザ≫が主催する勉強会、「栄養士・健康支援者のための輪読会」。
このブログでは、
2日目に開催した
「栄養士・健康支援者のための輪読会」について
記しておきたいと思います。
「栄養士のための輪読会」を、
パルマローザで初めて開催したのは、
2013年1月27日。
そのときのテーマは、
≪『食品成分表』をフル活用しよう≫。
栄養士である私たちのバイブルの1つでもある、
『食品成分表』ではありますが、
すみから、すみまで、熟読しているか、
と聞かれたら、答えは「NO」。
自分の興味あるところをピックアップして
読んでいるという現状から、
大橋先生が解説してくださる『食品成分表』は、
それまで、平面でしか見えていなかった世界を、
ドラマチックに立体的に奥行ある世界を見せて
いただいた、そんな感動をおぼえた第1回でした。
ちなみに、大橋先生は女子栄養大学出版部に在職中、
『食品成分表』を制作する編集部にも
所属しておられました。
今回、令和2年、初めての輪読会に
大橋先生がお選びになったテーマは、
「行動療法」。
テキストは、
『栄養指導のための行動療法入門』
(足達淑子編 医歯薬出版株式会社)
版元の医歯薬出版株式会社に、
ご本の購入希望をお伝えさせていただいたところ、
すでに絶版となっており、
「再販する見込みはない」というお返事。
やむを得ず、大橋先生がピックアップされた部分のみ、
人数分コピーさせていただき、
テキストとして使用することとなりました。
今回のご本(テキスト)は、
大橋先生も一部ご執筆されていたり、
ご本に関する執筆者の先生がたとの
対談場面を先生が司会をされていたりするなど、
この当時をご存じの先生だからこその輪読で、
1文字1文字が深く印象づけられました。
たとえば、
「行動療法の特長」というページでは、
「特徴」としなかったのはどうしてだろうか、
「行動療法の出合い」とあるが、
「行動療法の出会い」とどう違うのか。
「クライエント」と「クライアント」の違い、
などなど、1字1句に触れながら進めていきます。
行動療法というコトバは知らなかった人でも、
その人の生活に、行動療法が知らず知らずに、
普及している例を交えながら、
先生にご解説いただきました。
たとえば、
買い物をするときに、
買い物メモをもっていくこと、
カレンダーに、
きょうの日付を迎えたら、
〇か×かの印をつけること、
住所録であれば、
人名を50音順にせず、
分野別に区分する、
……たとえば、仕事関係は、
手帳の各ページの上や縁を(「小口」という)
ブルーのラインに、
趣味関係の人のページには、
ピンク色のラインとする。
また、定期健診でいただく検査値を、
毎月のグラフに記入して
その変動を、線にしてつないでいくなど。
これらも「行動療法」的
または「行動科学」的な認知手法。
「セルフモニタリング」の応用でしょう。
何より、今回私自身が参加して、
いちばんの収穫といえば、
「食コーチング」自身も
行動療法などがそのベースとなり、
今の時代に適応したカタチとなって
樹木でいえば、枝葉の部分の1つとして、
発展し続けているのだと、理解できたこと。
それぞれの行動療法に関する当時の第一人者が
対談をしているページでは、
司会をお務めになった大橋先生が
「みなさんが行動療法に出合ったのは、
いつ、どこで、どんないきさつだったのか。
名称が先だったのか、手法が先だったのか」
参加されていた先生方全員に
共通だった事例が、
栄養指導の教育現場で困っていたご経験が
おありになっていたこと。
そんなときに行動療法に出合い、
指導型ではなく、クライエントが率先しておこなう
手法で手ごたえを感じたり、
強迫神経症の患者さんをはじめ、
(自身の髪を抜き続けたり、
1日に何度も手を洗ったりなどの症例を持つ方)
習癖から高血圧まであらゆる問題が行動療法で
対応できると確信が持てた。
今までの栄養指導と、何が異なるかという点で、
行動療法に出合うことで、
「ライフスタイル」という概念が入ってきたこと、とか。
「ビールを1本にしてください」
「休肝日をつくりましょう」
「野菜は350g食べましょう」
「よくかんでいただきましょう」
など、相手かまわず繰り返していても、
成果はあらわれない……ということを、
すでに20年以上前から、
行動療法を取り入れておられる先生方は、
体得されていたことを、
知りえたことは大きな収穫でした。
現状の栄養士や栄養士教育に欠けていることとして、
その当時は、
1.栄養士教育では、給食業務が中心になっており、
コミュニケーションスキルが訓練されていなかった。
2.対人関係というより、対物関係を重視していた。
(食品、量、モノを中心に指導してしまう)
3.1回相手に話せば、
「必要なことはすべて伝えた」と勘違いする。
4.「QOLをたいせつに」と連呼し続けた。
(「QOLってなんですか」と聞かれたら、
アタフタしてしまう)
5.食事(だけに)に注意や関心が行きすぎる傾向があった。
当時の栄養士の課題は、
いまの時代にも通ずるところは
たくさんあるように考えます。
「食コーチング」を学んでいる栄養士が
このような対談になったとき、
いまの風潮を以下のように話し合うことが
できるのではないか……と考えます。
1.コミュニケーションは、
「栄養素士」に徹して行なうものではない。
「栄養素士」になるのは、
日常のコミュニケーション力が低下
している表われかも。
2.「行動変容させなくては!」と、
リキミすぎる栄養士がいる。
「相手を変えようとしすぎていないか」
せっかく行動療法に出合っても、
現場ではいつのまにか
「栄養指導」に逆戻りしていたり。
3.健康は「栄養」だけで成り立つものではない。
だから、「栄養指導」「栄養相談」というコトバも、
現状では、見直される必要がある場合も。
「食コーチング」では、
「食事相談」と言い換えるようにしている。
行動療法を知ることで、
「私は自分の生活のしかたが非常に楽になった」
と、足達淑子先生は座談会の中で話しておられました。
大橋先生は、このテキストを通して、
私たち自身の心が穏やかになることだと
お教えくださいました。
「行動」とはなにか。
行動療法でいう「行動」の範囲は広い。
歩く、食べるはもちろんですが、
休むことも眠ることも行動、
それどころか、
拍動も血圧も血糖値なども行動。
なぜなら、これらも
個々人の心理状態や意志を反映して
変化をするものだから。
行動には
「見える行動」と「見えない行動」がある。
「コーヒーを飲もうかな」と考える時点では
行動は見えないけれど、
お湯を沸かし始めるあたりから見えてくる。
でも、「飲もうかな」と考えた時点で
すでに「行動」は始まっている。
そして、
どんな行動にも動機(モチベーション=動因)がある、
コーヒーを飲もうと思ったのは、
さっき、スーパーの帰りに、
どこかからコーヒーの香りがしてきたから。
見えないものだけではなく、
「なぜ、あの人は、電車のなかで
ブツブツ文句を言っているのだろうか」
「なぜ、上役は、月曜日に限って、
イライラしているのだろう」
「同じマンションに住むあの人は、
雨の日に限って洗濯物を干すのはなぜだろう?」
「なぜ、あの人は爪をかんだり、
貧乏ゆすりをするのだろう?」
その理由を「いい・悪い・好き・嫌い」のような
感情を入れずに、冷静に「自問自答」したり、
ときには、相手に問いかけたりすることで、
相手のライフスタイルという扉が開く瞬間に
立ち会うことができる。
10数年前までは、
行動療法やコミュニケーションに関する研修会が
毎月どこかで開催されていたように記憶しています。
今回、久しぶりに、
「行動療法」のテキストを
じっくり音読する機会をいただき、
頭とからだのすみずみまで
「インテリジェンス栄養」が
行きわたったように感じて、
すっきり、さわやかな気持ちになりました。
「輪読会は、研修会の中でいちばん好き!」
とおっしゃる栄養士さんがいらっしゃるのですが、
輪読会は、個人的に、
「コミュニケーション力、読解力、分析力を高める
知的イベント」だと感じています。
先人の先輩たちがつくりあげた
コミュニケーション力に関する集大成を
ひもとく間もなく、
目先のことだけに歩き回ることがないよう、
過去を見つめることで、
いま、未来を強化できた、
輪読会を主催、そして参加できたことを
心から感謝した1日でした。
]]>
「いま」と「これから」が見えてくる「日本の食生活史」
http://palmarosa.exblog.jp/25412071/
2017-08-23T10:30:00+09:00
2019-12-16T12:24:38+09:00
2017-08-23T10:30:28+09:00
palmarosaK
輪読会
2017年8月20日(日)、
パルマローザ主催、
「栄養士・健康支援者のための輪読会」を開催しました。
(テーマ
≪日本人の食生活史を振り返る≫
講師 大橋禄郎先生
会場 横浜市技能文化会館
時間 10時30分~午後5時30分)
パルマローザが主催する、
「輪読会」は、
2012年6月3日の
スキルアップセミナー、
「栄養記事・健康記事の正しい読み方」
(講師 大橋禄郎先生)が、きっかけとなり、
参加者のみなさまから
「継続して企画してほしい」というご要望を
たくさんいただいたことから
輪読会がスタートしました。
2013年1月27日、
「食品成分表をフル活用しよう」を
第1回セミナーとし、
以下、順次開催し、
今回の「輪読会」で
14回目の開催となりました。
2.2013年3月24日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―新聞を読み込む。コラムから社説まで―
3.2013年5月19日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―専門誌の記事・論文を検証する。
4.2013年9月29日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―食を語る文章を読むー
5.2013年12月1日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―人間を多角的にとらえるために
関連書物を読む―
6.2014年3月2日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―人間を多角的にとらえるために
関連書物を読む」②
7&8.2014年7月5日~6日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
(感性を豊かにする書物/愛、恋など)①&②
9.2014年12月13日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―食のものさし・「四群点数法」を極める―
10.2015年9月22日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―写真、絵画を読み解く。
非言語情報を言語化するとは―
11.2016年2月28日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―食生活雑誌はどんな視野を持っていたか―12.2016年10月10日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―「食文化論」に視点を持つー
13.2017年3月20日
栄養士・健康支援者のための「輪読会」
―「ワケアリ文章」の鑑定ポイントと、
健康論、リーダー論。
栄養士として社会に出て、
いろいろの「人」とお仕事を通し、
食を通してサポートさせていただくたびに、
臨床栄養をはじめ、
栄養素の勉強はもちろんですが、
「食生活史」をあらためて
見直す必要を感じたり、
「日本における歴史と食文化」を
再度学びたい……と思ったりすることがしばしばあります。
そんなとき、
自分の視界に入る本の中から探し出すのは大変。
幸い、私たちの近くには、
大先輩であり、
「食の歴史」や「栄養士の歴史」に詳しい、
先輩がいらっしゃいます。
そいう方にガイドをしていただきながら
みんなで輪読し合い、
その1行1行の意味について
語り合う充足感は格別のもの。
講師の大橋禄郎先生のご尽力により、
「輪読会」をシリーズ化にして開催しています。
今回は、以下のような内容で
輪読会が進行しました。
1.「日本人の食事はどう『洋風化』してきたか」
資料で見る「洋風化」の転機
コメント/小池五郎 内野澄子
『栄養と料理』1990年10月号から
2.『食卓の昭和史』
コメント/牛島秀彦
(ノンフィクション作家 東海大女子大学助教授)
『栄養と料理』1983年10月号から
3.『戦前学生の食生活事情』から「食生活こぼれ話」(部分)
1992年11月 三省堂選書
上村 行世(かみむら ぎょうせい)
上記以外にも、
新聞の広告欄をテキストに、
ある著者が、「人がすすめる本は当てにならない」
と書いている部分を指摘され、
大橋先生は、
「ほんとうにそうだろうか?」
「生まれてきてから読んだ本は、
全部自分だけで選んだ本だっただろうか」
などと、私たちに問いかけてくださることで、
こうした、新聞広告での1行にも、
注意をしながら読み進めていく姿勢をあらたにしました。
大橋先生が『栄養と料理』の編集長時代に、
企画されたという、
今回の「教材」にもなっている
資料で見る「洋風化」の年表は、
今、拝見しても、古びていないことに驚かされます。
食の歴史は、古びるどころか、
こうした食の歴史は、
ますます貴重な情報として、
後世にも残るのでしょう。
女子栄養大学名誉教授でいらした
「小池五郎」先生のコメントも
印象に残ります。
昭和1ケタ時代の学校給食で
「魚のフライ」に驚いたとのこと。
それまでは、
魚は焼くか、煮るかの時代に、
子どもごころに、
「洋風化」を感じられたのだと。
私の住む、横浜中区は、
「洋食発祥の地」であったり、
「文明開化時代の牛鍋発祥の店」があったり
「アイスクリーム発祥の地」であったり、
「牛乳を飲料として初めて販売した地」であったり
することは、一般に知られています。
が、上記、小池先生の「魚のフライ」エピソードや
当時の厚生省人口問題研究所の内野澄子氏による
「食事の『洋風化』はけっして戦後のものではない
ことは資料によって充分うかがうことができる」
などの資料に基づいた分析、コメントは、
いまの時代に生きる私たちにも貴重な情報だと実感しました。
1930年(昭和5年)の日本人の平均寿命は、
男性44.82歳。
女性46.54歳。
敗戦2年後、1947年(昭和22年)の
日本人の平均寿命は、
男性50.6歳。
女性53.96歳。
この年、平均寿命が初めて50歳を超えると資料にある。
人生が50年だった時代から
いま、人生100年時代へ……と、
過去を知り、現在、未来へと向かう私たちが
知っておかなくてはならいことは
過去のデータにもたくさん学ぶことがある。
「昔はよかった。
昔の食生活のほうがよかった」
とは、こうしたデータを見ている人であれば
そうしたコトバは言わないでしょうし、言えないでしょう。
「輪読会」を栄養士・健康支援者ネットワーク
≪パルマローザ≫で開催するようになって、
私たちは、神田神保町で
「食」の専門書を古書店で買うようになったことも、
この輪読会の相乗効果だと自負しています。
過去には、
誤った栄養学が叫ばれたことも知られていますが、
(「米を食べると頭が悪くなる」と指摘した
某私立大学の教授)
そうした誤った言い伝えも教材となり、
みなさまとご一緒にあらためて学ぶことで、
栄養士・健康支援者としての
「地盤」を強化できていられる……と思います。
「過去を学ぶことは、未来に通じる」
どの記事も、大橋先生の解釈が入ることで、
1行1行の難しい言い回しや当時のコトバも、
ストン……と心に入ります。
「輪読会」を開催し続けている意味を
自分自身に問いながら、
これからも、
「文明開化の幕開け」となった舞台、
世界に向けて開港して158年経った横浜で、
≪栄養士・健康支援者のための輪読会≫を、
継続し続けていきたいと、決意を新たにしました。
ここで学ぶ私たち栄養士も、
いつか未来の「栄養士史」の1つに
刻まれることになるのでしょうか。]]>
読書の秋に「ぶら古書店巡り」と「輪読会」
http://palmarosa.exblog.jp/23548244/
2016-10-12T20:31:00+09:00
2019-12-16T12:32:20+09:00
2016-10-12T20:31:10+09:00
palmarosaK
輪読会
2016年10月9日~10日の両日、
パルマローザ主催のイベントを開催しました。
1日目は、
「パルマローザ 古書店めぐりツアー in 神保町」
ガイド 大橋禄郎先生
(大橋予暇研究所主宰 ロッコム文章・編集塾主宰)
2日目は、
「栄養士・健康支援者のための輪読会
テーマ
『食文化論』に視点を持つ」。
(講師 大橋禄郎先生 会場 横浜技能文化会館)
1日目に開催した
「古書店巡り」はシリーズ化し、
これまでも、原宿、浅草、日本橋、上野、銀座、
など、都内いろいろの場所を、
「歩コム」しています。
今月末には、「ぶらカメラ in 沖縄」を予定。
神田神保町での古書店巡りは
2年ぶりの開催。
都内および都内近郊に住んでいても、
「神保町には行ったことがない!」
とおっしゃる方は少なくありません。
そもそも「じんぼうちょう」の発音が違う人がいると、
最初から大橋先生からダメ出し。
「北海道」「勧進帳」と同じ発音ならOK。
「お絵かき帳」と同じ発音ならNG。
神保町は、古本屋さんが多く並ぶ街として
知られていますが、
「本離れ」が進む今日、
1日かけて「古書店」巡りをする人は
激減していることでしょう。
そもそも、古書店そのものが激減している様子。
私たちが入った、ある古書店では、
「きょうはみなさんのおかげで祭りのよう!」
と、店主がおっしゃっていました。
どんな本でも
インターネットで居ながらにして
かつ、送料無料で本が届く時代。
なのに、本屋さんに足を運ぶメリットはあるの?
と聞かれたら
私はこんなふうに即答します。
1.購入予定以外の本に出会うことができたり、
本の品ぞろえ、本の配置、
本屋さんで見かけるお客さん、
経営者一族のマンウォッチング……。
幸い(?)古書店の大半は個人経営。
「古き、よき時代」の証言者として
そこに立つ自分もウォッチングの対象。
2.古書店の場合、
絶版になっている本にも
出会うことができたり、
新刊でもあまり見たことがない、
いろいろの「食の辞典」
に出会うことも多い。
世の中には、食の事典や辞典のなんと多いこと。
3.自分の念頭には
まったくなかった分野の本にも
目を向けることができる。
現代社会にも、
なんと「発見」が多いことか、
それも、100年前の本もある古書店の中で。
今回、私は、
国語研究者対象の雑誌の中で、
「医療コミュニケーション」の
特集に出会えた。
4.1人で行くのも楽しいけれど、
大勢で行くことで、
自分1人なら選ばなかった本を
購入することができたり、
人に買われる前に、ゲットしようと焦って、
すばやく自分の腕の中に抱きしめたり。
その気分は、
オークションで競り合う競り人のよう。
古書店で手に汗を握る体験をするなんて。
気がつけば、
送ってもらわなければならないほどの量を
買い込んでいた。
司馬遼太郎さんは、
トラック一杯分、古書を買い込んだとか。
畏れながら、その気分がわかるような気がしてきたり……。
私の収穫は21冊。
(1)日本語学』2000~2015年までの号を5冊
(特集)
―医療のことば―
―ことばのハンドブック―
―人の呼び方―
―食べ物とことば―
―ことばの「美しさ」とは―
―ジェスチャーとことば―
(6)『もてなしの辞典』
(7)『ヨコハマ 洋食文化始め』
(8)『國文学』(特集 現代の名句名言777)
(9)『面談 たべもの誌』
(10)『食べることの思想』
(11)『秘められた和食史』
(12)『いま蘇る味の世界』
(13)『食べる楽しみ、生きる喜び』
(14)『香料 日本のにおい』
(15)『色の名前BOOK』
(16)『ホットケーキの本』
(17)『作ろう 食べよう 行事食』2冊
(19)『食は時代とともに』
(20)『自宅で始める小さなパン教室』
(21)『はっとする味』
通勤電車の中で、
カフェタイムに、
待ち合わせのときに、
健康診断を受診する際のロビーで、
飛行機や新幹線で、
これらの本をしばらく、
持ち歩く予定です。
★翌日は、「栄養士・健康支援者のための輪読会」。
パルマローザでは、
毎年、輪読会を定期的に開催し、
(講師 大橋禄郎先生)
これまでも、
『食品成分表』を読んだり、
先生が『栄養と料理』編集長時代の
『栄養と料理』からの記事を先生の解説のもと、
声に出して読んだりしています。
栄養士・健康支援者である前に、
感性と奥行、洞察力のある自分づくりに
時間と労力を使う喜びはひとしお。
先生のちょっとしたコメントによって、
1センテンス、段落、1行、行間の深い意味が
あぶり出しのように見えてくるのです。
今回は「食文化論」に視点を持つ、をテーマに、
大橋先生は、
3つのテキストをご用意くださいました。
1.『食卓文明論』
2.『たべもの日本史総覧』
3.文学に描かれた『日本の「食」のすがた』
「人は料理をする動物」、
「人間は共食をする動物」、
「COOKとは、加熱した料理のことをさす」
石毛直道先生のご本では、
野生動物から人間に至る食行動の進化のプロセス、
料理を楽しみ、
共食することで家族の絆が深まる
ヒトの「文化」のカタチを
学ばせていただくことができます。
小論文『食生活の東と西』では、
うどんとそば、
おでん、
かば焼き、
てんぷらとすし……など、
東と西の食文化の比較とルーツがおもしろい。
とかく栄養士は、
含有栄養素の質や量で食を語りがち。
それによって、
人間にとっての食のダイナミズムを
いかに見落としているかを
改めて思い知りました。
前日の古書店巡りのとき、
お別れのごあいさつの中で、
大橋先生は
「栄養士さんには悪いけれど、
人間はけっして栄養素だけで生きているわけではない、
情報によっても生かされている、
そのことをお忘れなく」
とおっしゃっていました。
輪読会の回数を重ねていくたびに、
参加者のみなさまが
最初のころよりも、
「すらすらと大きな声でわかりやすく読み、
つっかからなくなってきた」
という印象を持ちました。
1人でじっくり見る本も楽しいのですが、
グループで読み、それらについて
解説してくれる人がいたり、
1つ1つの疑問に答えてくれる人がいてくれたりするころで、
同じご本を読んでいても、
まったく異なるものになってしまう……、
ことも実感することができました。
かつて、文系のゼミでは、
こうした輪読によって、
たくさんの研究書や原書を読んできたとのこと。
そういうトレーニングを受けた人には負けそう。
でも、学ぶのに「早すぎる」も
「遅すぎる」はないとか。
今回、
「本の数がここ数年で増えた!」
というお声を多くいただきますが、
それは、
「自分の足で探した結果、
情報が多く入ってくるようになった」
ということなのでしょうか。
「読書の秋」。
電車での移動が多い私。
まわりがケイタイに釘づけになっている中、
「活字に釘づけ」になっている女子がいたら、
それは、私たち栄養士サークル
パルマローザのお仲間かもしれません。
]]>
「食の地図」をたどって、生涯現役の道を……。
http://palmarosa.exblog.jp/21397787/
2014-12-19T00:57:00+09:00
2019-12-16T13:26:53+09:00
2014-12-17T11:53:23+09:00
palmarosaK
輪読会
2014年12月13日(土)、14日(日)の両日、
横浜で2つの研修会を開催しました。
1日目は、10時~午後5時まで
パルマローザ主催の
「栄養士・健康支援者のための輪読会」。
―食の物差し、「四群点数法」を自分のものにする
―というテーマ。
アドバイザーは、いつものように
大橋禄郎先生にお願いしました。
(会場 横浜技能文化会館)
2日目は、食コーチングプログラムス主催の
≪食ジム≫第29回。
テーマは、「栄養士・健康支援者が
生涯現役を貫くためのアクションプラン。」
座長は、大橋禄郎先生。(会場 関内ホール)
1日目の輪読会では、
数ある「食の物差し」の中から
「四群点数法」をとりあげて
13ページにわたるテキストを
大橋先生のご指導のもと、読み進めていきました。
「何をどれだけ食べるか」という話を
魅力的に話す必要に迫られている
栄養士・健康支援者ですが、
実際には「食事の物差し」について
じっくり学ぶ場所がない、
というのがみなさまの実状とのこと。
「四群点数法」創設者・香川綾先生が
女子栄養大学学長として
お元気に活動されておられた当時、
書籍編集者として、また『栄養と料理』編集長として
香川先生の近くにおられ、
会議や取材で先生からお話を聞いたり、
四群点数法の普及に関して、
香川先生とお話し合いをしたりしたのが大橋先生。
大橋先生によると、
香川先生が体系化を進めておられた当時の「四群点数法」には、
情熱やリアリティが感じられ、
解説もわかりやすく、温かかったとか。
そういう事情もあって、
今回、ご用意いただいたテキストの大半は、
香川先生がお話になり、
大橋先生がまとめた『アルカリ性食品の効用』という、
いまは絶版となっている本から引用された
「四群点数法」の解説の文章。
(上記の本は、書名とは異なり、
アルカリ性食品に偏ることを戒める内容)
いつものように、たくさんある資料を
参加者が順にひと区切りずつ読み、
適宜、先生の注釈が入ります。
現在の「四群点数法」のカタチにまで
体系化される前には、「魚(うお)1、豆1、野菜4」という
フレーズで普及させていたそうです。
昭和の初期のことですから、
食事の物差しはほとんどなく、
このフレーズは、一部の人には指針になったようです。
その後、昭和30年代に入って、
「四つの食品群」へと発展し、
さらに昭和40年代に入ると、
1点80キロカロリーという単位で
栄養量とエネルギーのバランスを図る発想が生まれ、
「四群点数法」と命名されて今日に至ります。
「香川式食事法」というネーミングもありましたが、
個人名を冠することのデメリットについて、
大橋先生が関係者に力説された経緯についても、
今回、輪読会の中でご披露いただきました。
(出版部に属した、同大学の卒業生の管理職は、
香川先生への尊敬の念から、
「香川式」に愛着があったとか)
「食品成分表」に収載されている全食品が
第一群、第二群、第三群、第四群に分類され、
100グラム単位ではなく、
1点80キロカロリー当たりの重量を示した、
『1点80キロカロリー成分表』が生まれました。
つまり、世界中のどんな食材でも、
栄養的には4つのグループのどこかに収まり、
かつ、80キロカロリー当たりの重量を
把握または推測できる、という物差しが生まれました。
世の中には、
ほかにもいくつかの「食の物差し」があるけれど、
健康人、病気の人が共用できて、
質と量のコントロールが同時にできる「物差し」は
ほとんどない、と大橋先生。
ちなみに、
牛乳と卵のグループを「1群」と書くのは誤り。
「第一群」と書くのが正しい表記法なのだそうです。
「第」は英語の「The」に当たることば。
「第一人者」「第一課」「The boy」のように、
限定または特定した人や
グループ指すときにつけるもの。
戦後、スキムミルクが配給されたことで、
子どもたちの健康状態がよくなっていくのを
目の当たりにされた香川綾先生は、
日本人が常食していなかった卵と牛乳を
ほかの群に優先させて、
「第一群」に収めた、とお聞きしました。
戦争から69年経った今も、
日本人は、卵、乳製品がとれていないことを
綾先生がお知りになられたら驚き、
私たち栄養士を叱咤されるのではないでしょうか。
群別の話で印象に残ったのは、
「第三群」の野菜、果物、海藻、きのこ類のところで、
大橋先生が、
「野菜350gをとっている家庭って、どんな家庭でしょうか」
と、お尋ねになられたこと。
何人かの方が答えておられましたが、
先生の解釈は、まず、
1日350gの野菜を家族分だけ
冷蔵庫にストックしておこうと思うと、
食事計画、買い物計画をちゃんとする必要があり、
食事作りの本気度が試される、とのこと。
それを毎日食べるには、
下ごしらえをしたり、いろいろに調理したりと
時間も労力も必要になる。
根菜などは加熱時間がかかる。
家じゅうに野菜の香りや湯気が立ち込める。
家族は、そのにおいで食事が近いことを知る。
それは、円満な家庭の典型といってもよいほどの場面。
野菜は、350gとるという
栄養的な意味だけではなく、
家族を大事にする主婦またはお料理担当に
モチベーションを与える食材としての意味もある、とのこと。
先生が『栄養と料理』の編集長時代から
よく見てこられた摂食障害の人の食事は、
火を使っていない場合が多く、
見るからに冷たい内容であった、とのこと。
1点は80キロカロリーだから
「この重量を食べればよい」という単純な話ではなく、
個々人のライフスタイル、各家庭の温かさまでも推測できる、
ダイナミックな「食の物差し」でもある、
そういう視点を教えていただきました。
先生のテキストを拝見していると、
昔出版された「食事の物差し」に関する本が
古びて見えるどころか、その解釈がいま私たちが
見たり、聞いたりしても新鮮に感じ、
ますます読み進めたくなるのでした。
世の中に食材の選び方、
食事の仕方に関する本は多いけれど、
「あれがいい」「これはいけない」などと
重箱の隅をつつくような各論が多い。
そこには量や頻度の概念がなく、
平均寿命や死因などの各種データとの関連も希薄。
「1日1食でいい」「肉を食べれば病気は治る」などの説は
何を根拠に生まれるのか。
それらは単なる自分流でしかない、
ガイドラインもない珍説であること
改めてよくわかります。
学者たちの研究成果である
食事摂取基準をベースにし、
1日、1週間、1か月、
地域的には日本以外のどこででも活用できる
「食事の物差し」は、
「栄養バランス」を説く人が
いつも頭に入れておく必要を感じました。
「食事の物差しを持たない人は、
量のコントロールができない、ややもすれば
食べ過ぎてしまう現代生活にあって
ブレーキのない乗り物に乗ったようです」(香川 綾)。
テキストの中に示されていた一文です。
香川綾先生から、直接お話を
お聞きしているように思えるひとときでした。
2日目は「食ジム」。
「生涯現役を貫くためのアクションプラン」。
座長の大橋先生は
以下の内容で進行されました。
(今回から「司会」から「座長」に名称変更)
1.私の身近にいる「生涯現役」の人のご紹介。
2.「生涯現役」をどう定義するか。
3.「生涯現役」を続けている人には、
どんな共通点があるのか。
4.そもそも「生涯現役」ということに、
どんな意味があるのか。
5.私の生涯現役プラン、
「ちょっとだけよ!!」公開。
6.で、けっきょく、人は、どこへ向かって生きるのか。
7.「生涯現役」を貫くためのアクションプランとは?
「食ジム」も4年目に入り、
参加者の方々のご発言が
活発になってきたことが感じられます。
「1」の項目では、全員が順番に発表。
職場の70代の同僚、
80代のボランティアの人、
趣味でご一緒されているリーダーの女性、
お菓子教室で教えておられる70代の先生、
夫の父で、ヨガの90代の先生、
元職場の75歳の医師、
58歳で亡くなられた同僚の先生……。
ここでは、仕事関係、仕事以外の
ネットワークから該当する人を紹介されました。
年代は、50代から90代とさまざま。
座長の大橋先生は2人の方を発表されました。
お1人は、ダイビングを日本に普及させた
舘石 昭(たていし あきら)さん。
もうお1人は、大橋先生の大学生時代からの恩師、
芳賀 綏(はがやすし)先生。
私は、4名あげました。
お1人は、日本でのミニシアターの先駆けとなられ、
良質な映画をご自分の目で見て選び、
日本に紹介された、高野悦子さん。
(10代の学生時代、高野さんが総支配人の
映画館でアルバイトを4年間していました)
2人目は、「きょうの料理」でご活躍中の
本多京子先生。管理栄養士。
日常の生活を栄養士の視点で
魅力的に演出されておられます。
(8年間ほど、ご自宅で開催されていた
料理教室やお勉強会に通っていました)
3人目は、香川 綾先生。
「食」で人の健康を生涯説き、
そのための学校をつくり、
その建学精神を貫き通し、
多くの卒業生を輩出しました。
4人目は、宗像伸子先生。
山王病院で栄養士としてのスタートを切られ、
数々のご本を執筆され、
講演、自身の料理教室運営
いまも忙しく過ごしておられる。
うれしかったことは、参加者ほぼ全員が
ご自分の身近にお手本となる人を見つけておられた……ということ。
大橋先生は、生涯現役を以下のように定義してくださいました。
「職業、仕事、余暇活動などを通じて、
晩年まで社会的活動に参加する状態のこと。
その状態とは、気力、体力、
学力、技術力、指導力、組織力などの
いずれか、またはすべての点で認められるような状態。」
3番目の「生涯現役」を続けている人の共通点として、
以下のような意見が上がりました。
1.使命感を持っている。
2.情熱がある。
3.継続性がある。
4.表情が豊か。
5.求心力がある。
6.身だしなみがよい。
7.健康である。
次に、「『生涯現役』ということに
どんな意味があるのか。」という項目では、
社会的、個人的という2つの側面から
>議論が進められました。
社会的には、
1.打ち込むものがあれば、病気の発症が遅くなる。
2.周囲の人の健康度を上げる。
モチベーションを上げる。
3.社会にその精神や技術、知識を伝えていく。
一方、個人的には
1.健康寿命の伸延につながる。
2.充実感のある人生が送れる。
3.子どもや孫、親によい影響を与える。
「社会は個人の幸せのためにあるものではない。
むしろ、個人の努力が社会をよくする。
時代についてゆくのではなく、
時代が自分についてくる、という自負心で
晩年まで全力投球で行きたい。
たぶん、「生涯現役」は人生のサブ的目的。
いちばんの目的は、自分の楽しいこと、
人や社会に貢献することなどではないか。
そうしたモチベーションが、結果として、
その人を生涯現役にさせる」
大橋先生が最後にまとめられたお言葉に、
深く参加者一同うなずきました。
2014年、1日目、2日目それぞれ
パルマローザ主催「輪読会」、
食コーチングプログラムス主催「食ジム」
今年最後のセミナーが終わりました。
この日の横浜も寒風に襲われましたが、
2日間にわたる研修で心が温まり、
生涯現役への道をフットワークも軽く歩み続けるのでした。
大雪に見舞われた北陸へと
夜行バスでお帰りになる方も、
そのようなお気持ちであったのではないでしょうか。]]>
恋せよ栄養士! 愛せよ栄養士!
http://palmarosa.exblog.jp/20892401/
2014-07-10T00:28:00+09:00
2019-12-17T00:53:00+09:00
2014-07-10T00:28:10+09:00
palmarosaK
輪読会
7月5日(土)~6日(日)の2日間、
1泊2日の合宿スタイルで
「栄養士・健康支援者のための輪読会」⑦を
開催しました。(横浜/元町)
(主催 パルマローザ 講師 大橋禄郎先生
1日目:10時30分~午後5時30分
2日目: 7時~午後3時)
栄養士・健康支援者のための輪読会のスタイルは、
講師を務めてくださる大橋先生が
そのとき、その都度、
テーマやテキストとする本や雑誌、
新聞記事などを選んでくださいます。
そのテキストを出席者が順に
音読します。
区切りのよいところで、
先生の補足や、みなさんからの質疑、
意見や感想などの発言があります。
音読によって、目と耳で情報を入力し、
さらに補足や、みなさんの感想などがあって、
数行の文章を、
いろいろの角度から分析することができます。
自分の書棚にある本や、
すでに読んだことのある本でも、
「そうか、そう読むことができるのだ」
「ええ? そんなことに気がつかなかった」
などの感想を持つ人もしばしば。
以下はこれまでの輪読会のテーマ。
第1回
2013年1月27日(日)
健康支援者のための「読み込む力」演習
ー「食品成分表」をフル活用しようー
第2回
2013年3月24日(日)
新聞を読み込む。-コラムから社説までー
第3回
2013年5月19日(日)
専門誌その他の関連記事・論文を検証する。
第4回
2013年9月29日(日)
食を語る文章を読む。
第5回
2013年12月1日(日)
人間を多角的にとらえるために関連書物を読む。
第6回
2013年3月2日(日)
「人間を多角的にとらえるために関連書物を読む」②
一部のものを除いて、
いずれの教材も、ふだん私たち栄養士が
手にすることが少ないであろう
書物であったり、雑誌であったり。
新聞や雑誌の記事を読む場合も、
よい記事とそうでない記事の見分け方を
表現面から、思想面から
指摘くださるおかげで、
以後、記事の読み方に視点ができてきます。
今回7回目となった輪読会では、
栄養士・健康支援者という職業が
「人と接する職業であるからには、
人をもっと深く知ろう、そのために……」
という、私たちの想いを先生が汲んでくださり、
「愛と恋を語る文章」というテーマを
ご提案いただきました。
古くは『万葉集』から恋の歌、
当時の話題作であった、
『風立ちぬ』(堀 辰雄)
『春琴抄』(谷﨑潤一郎)から、
一見、カタそうに思える、
論文『愛は脳を活性化する』、
そして、社会的な話題にもなった
渡辺淳一氏自らが語る、
自作の『男と女』論。
そして宿泊先のホテルのお部屋では、
落語「明烏(あけがらす)」を聴きました。
万葉集の時代は、
男性が女性の家に通い
愛をカタチにする通い婚(?)の時代。
待てども待てども
愛する人が来ない。
その悲しみを短歌に詠む……。
女性にとって
悲しい時代ではあったでしょうが、
容姿ではなく、
文才や歌の才能で
自分をアピールする機会もあったのかと思うと、
いくらかは救われます。
『風立ちぬ』は、
サナトリウムで出会った女性をモデルに
書かれたという作品。
彼女が結核に冒されていたたために、
やがて死別を余儀なくされるかもしれない、
だからこその、愛の昇華……。
人は愛する(愛した)人の「死後」も、
より深くその人の存在を身近に感じ、
愛することができる……、
そのような純粋な愛のカタチを再確認。
『春琴抄』は、
映画で観たという人が少なからずおられました。
そういう私もその1人。
山口百恵さんと三浦友和さん主演の
映画シリーズは、
その当時は、百恵さんの美しい映画という
印象しか覚えていませんでした。
が、今回、この小説のあらすじを読み、
主人公が、こんなにも勝気で
わがままでもあったのか、
それを百恵ちゃんが演ずるとは……と
驚きました。
女性が従順に書かれる小説が多かった時代に、
プライドが高く、自分にも周囲にも厳しく、
そして美しい、琴・三味線の師匠として描かれる春琴。
冷え性の春琴の足を温めるために、
奉公人の佐助は、
布団の中で主人の足を懐に入れたりする、
その献身的ながらなまめかしい描写が
印象に残りました。
『愛は脳を活性化する』の4章の冒頭には、
「愛が脳を救った」とし、
実際に起こった症例を紹介されています。
当時15歳だった茨城県つくば市の高校1年生N君。
1988年11月18日の夕方、下校時に
自動車事故に遭い、右頭蓋骨が陥没し、
右大脳半球の後半部に損傷を負って意識不明の重体。
病院では、
右脳の広範囲に減圧を目的とした手術が施され、
集中治療室に収容された。
執刀医の先生が「植物人間になる可能性が高い」
と言われたほど状況はよくなかったが、
そんな彼が家族の「愛」に応え、
驚異的な回復を示した……と。
(ご家族が毎日N君の名前を呼びながら
話しかけたり、脚をさすったり、
懸命なサポートがあったという)
こうした例は、
「臨床的に」「科学的」……だけでは
あてはまらないこともある……ということを
著者の松本元氏は、指摘されています。
栄養士・健康支援者にとって、
「人を愛するとは何か」を知ることは、
「より深くその人を知る」
「人とは何か……」
「人は何のために生きるのか」
というところに行きつくための
プロセスの1つなのだと
あらためて感じました。
四国・香川県からご参加いただいた
砂野知香さんもおっしゃっていました。
「私は、落語をラジオやテープで
聴いたことがほとんどないので、
よく理解できませんでした」と。
ビジュアルに頼りすぎていると、
音だけという耳から入ってくる情報に
鈍感になっている自分がいる……、
そのことが私の課題なのだと
はっきりわかったことも
輪読会の収穫でした。
横浜での合宿は、
2009年6月に開催した
「横浜・上郷森の家」以来、
6年ぶりとなりました。
セミナー終了後は、
山下公園前のホテルに4人部屋、
3人部屋と分かれて宿泊し、
夕食は、それぞれ部屋ごとでいただくという
「エゴイスティックディナー」方式を試しました。
「エゴイスティックディナー」とは、
「他人の目を気にせず、
自分の食べたいものを、
好きなだけ存分に買って、
いただく夕食のこと。
どこで、だれと食べるのも自由!!」
ちょうど、山下公園では
ベルギービールフェアが開催されていました。
今年で4年目とか。
結果的には、みなさん、ここに引き寄せられて、
さわやかな横浜の海の風を感じながら、
ベルギービールで盛り上がりました。
午後9時からは
輪読会の続きがスタート。
夜にお部屋に集まっての勉強会は
なぜかワクワク。
それぞれ持ち寄った夜食をいただきながら
「恋・愛」についてのお話にうっとり……。
広島県からご参加の栄養士さんのご提案で
「婚活」について、
みなさんで深夜1時まで話し込みました。
後日、その方のご感想に、
「横浜合宿に参加できてよかった!
合宿最高!」と
おっしゃってくださったのを拝見し、
合宿というスタイルでの輪読会を
開催してよかった……と、あらためて思いました。
翌朝は、朝7時にロビーに集合。
食コーチングの考えるウォーキング、
「歩コム」スタイルのウォーキングです。
歩く目的を、減量とか、生活習慣病予防とかの、
ボディのメンテナンスに限定せず、
「見ること」「聞くこと」「話すこと」も忘れず、
1人のときは、
「自分とのコミュニケーション」を図る。
それは、一貫性のある思考を試みることです。
山下公園から大桟橋まで
テーマをお出しして、
みなさまに歩いていただきました。
往きは「この片道で印象に残ったことは?」
帰りは「10年後のあなたはどうなっている?」
もちろん自分のペースで、
人と話しながらでも、
このテーマを考えて歩くのです。
大桟橋には、
世界1周の航海に出る、
「PEACE BOAT」が停泊しており、
私たちは、この「PEACE BOAT」前で
「大きな犬を連れて歩いている方が比較的多かった」
「ベルギービールフェアの最中であるにもかかわらず、
ゴミが1つもなく、きれいな山下公園だった」
「スポーツウェアを着ていない自分が恥ずかしかった」
「けっこう朝から走っている人がいます」
「もう赤レンガにあるパンケーキ屋さんは並んでいます」
などと、各自の観察を披露し合いました。
大桟橋からの帰り、
山下公園では、
ヨガのサークルがヨガイベントをしており、
山下公園の氷川丸をバッグに彼らのヨガポーズが
いっそう神秘的に見えました。
1歳の娘さんと参加してくださった
三奈木麻弓さんが
「娘は、私と2人のときはすぐに『だっこ』と
言うのですが、きょうは、みんなが歩いているからか、
自分から歩いていました!」と
娘さんの成長ぶりを
報告されていました。
「歩コム」の効果がさっそく出たようです。
朝食後は、再び10時からお部屋に集合し、
輪読会の続き。
さて、輪読会は大橋先生の
しびれるシメのお言葉で満載でした。
その中で印象に残った言葉は、
「人を愛することができない人が
人から愛される機会が少なくなるのは
やむを得ないでしょう」
愛する対象は、
植物、動物でもよいとおっしゃいます。
愛があるサポートで
クライアントの健康状態だけではなく、
家族、恋人、地域、組織が
変わることも少なからずあるように思います。
輪読会が終わった2日後、
『読売新聞』夕刊に
川端康成の「初恋とされる女性」、
伊藤初代さんとの恋文11通が
自邸で発見されたというニュースが載っていました。
川端康成氏自らが
「返事がないので毎日毎日心配で心配で
ぢっとして居られない」
「恋しくつて恋しくつて早く会はないと僕は何も手につかない」
などと記されているそう。
結果的に2人は別れるのですが、
初代さんが別の男性と結婚した後も、
「関東大震災は彼女は大丈夫だったか」
と、初代さんの安否を気遣っている様子が残されているそうです。
輪読会が終わった後、
日本を代表する作家、
川端康成氏の恋文が発見されたというニュースは
どこか偶然ではないような気がしたここ数日でした。]]>
輪読会は頭の回転トレーニング。
http://palmarosa.exblog.jp/18811464/
2013-05-20T14:32:00+09:00
2019-12-16T13:49:34+09:00
2013-05-20T14:32:24+09:00
palmarosaK
輪読会
5月19日(日)、
第322回 パルマローザセミナー、
栄養士・健康支援者のための輪読会・
「専門誌その他の関連記事・論文を検証する」
とテーマで開催しました。
(講師 大橋禄郎先生 会場 大倉山記念会館)
輪読会は今年から始めたもので、
これまで2回開催しました。
第1回 1月27日(日)
「食品成分表を読み込む」
第2回 3月24日(日)
「新聞を読み込む。―コラムから社説まで」
いずれのセミナーにおいても、
栄養士・健康支援者として必要な
文章力、読解力、分析力、思考力を
スキルアップさせるため、
みなさまで意見を出し合い、それについて
講師の大橋緑郎先生からご指摘いただきながら
進めていくというもの。
3回目となる輪読会は、
栄養士・健康支援者の専門誌や
その他、著名栄養士の著書、論文などを
テキストにその文章を分析検討するというもの。
その中には、日本栄養士会発行の
『日本栄養士会雑誌』も含まれています。
私たち栄養士の場合、
大学を卒業し、
2~3年もすると、
規模の大小問わず、
執筆や講演のご依頼をいただくことが少なくありません。
まわりに相談できる人がいないと、
少なからずの人は
専門誌をはじめメディアに発表されている
論文や投稿記事などを参考にされることもあるでしょう。
たとえば、
「すぐキレる子どもたちの犯罪の根底には
食生活の乱れがある」とか、
「安全な調理済み加工食品を選んで加えればよいのです」とか、
「ウツは食事が原因だ」……とかといった文章が
著名な食に関する解説書に載っていたとすれば、
引用してみたくなるのは当然でしょう。
輪読会では、
これら1つ1つを検証していきます。
黙読だけでは見逃してしまっていたことが
音読をすることで問題点が明らかになり、
中には、音読をする間、
クスクスと笑い声が聞こえることも!!
輪読会の成果の1つには、
このように、継続して参加し続けることで、
文章の内容に矛盾があるか、ないかまで
把握できるようになること。
悪い例を知ることで、
自分自身が文章を書いたり、
講師として話をしたりするときには
今まで以上に気をつけられます。
たとえば、上の例でいえば、
「キレルとはどのようなことをさすのか、
キレル=食生活だけの問題としていないか、
家族間のコミュニケーションはどうか、
「安全な調理済み加工食品」ってなにか、
そもそも「安全なもの」ってあるのだろうか、
冷蔵庫にずっと入れっぱなしにしている
しおれてしまった野菜は安全か、
ウツは食事だけが原因なのか……などなど、
食だけが健康に直結しているかのような
文章が世の中にいかに多いかということも
あらためて実感しました。
さて、
栄養士になって3年ほどたったときのこと。
ある先輩の紹介で、
「話をする練習になるから」と、
銀座のとある場所で短期間
講師として授業を持たせていただいたことがあります。
対象者が不特定多数の中で
自分の専門分野を1時間話すというスタイル。
セミナーが終わった後、
講師は、
参加者からいろいろのご質問を受けることとなります。
「栄養情報はころころ変わるから困る」とか、
「『栄養素のバランスは考えないほうがいい』という人もいますが、
影山さんはどう思いますか」とか、
「日本人は伝統食に戻ったほうがいいと思いますが、
どう思いますか」とか、
「1日1食でいい」……とかとか。
これらの質問に対し、
当時の私は、自分でも満足だと思える回答を相手に
することができませんでした。
「だから栄養士さんは何も知らないのよね」と
思われていた1人だったと思います。
そのときにいまのような輪読会という
システムがあれば、
「どうしてそう思われるのですか」とか、
「ころころ変わるってどういうことでしょうか」とか、
「「栄養情報が変わるというのは、
医学や栄養学が進歩しているということと関係ありますか」とか、
「伝統食ってどういう食事をいうのですか」とか、
「あなたのいう『伝統食』の時代の
日本人の平均寿命はご存じですか」とか、
「栄養のバランスは考えないほうがいいと思われたのはどうしてですか」とか、
「では何か代案がおありになるのでしょうか」とか、
「1日1食はご家族も実行されているのですか。
何年くらい実践されているのですか」とかとか……、
適切な問いかけができたでしょう。
昨年、食コーチングプログラムスが開催した
「『給食だより』を10倍楽しくする
編集力 スキルアップセミナー 全5回シリーズ」 でも、
講師、大橋先生は、
「人を良くすると書いて『食』と書きます」という
文章はよく見かけますが、その内容はまちがっています。
こうしたまちがいを栄養士はじめ食の専門家が
発信しないようにしたい」とおっしゃっていたことを思い出します。
内容にまちがいがあることを
世の中に普及してはいけないのは当然ですが、
それ以上に、
大橋先生は、
「いつも同じ切り口で話をしない。
思考もマンネリになるから」ということを
ご指摘いただいているのだと、
今回の輪読会でも、同じ事例であった
「新聞広告」(テキストに使用)
を見ながら、そんなふうに思いました。
何度もお聞きしているからか、
そうした考え方も、
少しずつ強化できている自分にうれしくなります。
そして、さらにうれしいことは、
いろいろのメディア、雑誌に
載っている食の文章で疑問に思ったことは
すぐにこうした場所で、
参加者と意見を言い合えること。
もちろん、司会進行を務めてくださる
大橋先生あってのことですが。
第3回輪読会では、
日ごろから「食ジム」などで
コミュニケーション力を鍛えておられる方が
積極的に手を挙げ、
頻回に話をしておられたのも頼もしい光景でした。
栄養士・健康支援者のための輪読会は
いまのところ、横浜だけの開催ですが、
ご希望があれば、
いろいろの場所でも輪読会を開催し、
各地の栄養士さんがたとの交流も図りたいと思っています。
次回輪読会は9月29日に開催します。
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「告白するならダイエット??」
http://palmarosa.exblog.jp/18420395/
2013-03-26T00:45:00+09:00
2019-12-16T13:37:21+09:00
2013-03-26T00:45:08+09:00
palmarosaK
輪読会
3月24日(日)、桜で満開の横浜元町で
第319回パルマローザセミナーを開催しました。
(神奈川近代文学館)
「栄養士・健康支援者のための輪読会」を
今年からスタートさせ、今回で2回目。
今回は「新聞を読み込む―コラムから社説までー」という
テーマで、講師・大橋禄郎先生(大橋予暇研究所主宰)に
丸1日ご講義をいただきした。
テキストは、新聞のコラム、社説2例、
平均寿命などに関する健康記事、スポーツ記事など。
今回の輪読会で印象に残ったことの1つは、
「朝日新聞」の≪天声人語≫と
「読売新聞」の≪編集手帳≫を
参加者1人1人が声に出して読んで、
参加者どうしで気がついたことを指摘し合ったことです。
音読することで、普段見落としがちな部分を
確認することができたこと、
読みなれていない熟語のアクセントに注意が入ったこと、
初見の文章をつっかえることなくスムースに読むと
聞く側に安心感を与えること……、
などを実感しました。
さて、家庭でとっている新聞といえば、
決まった一紙というのが一般的なのではないでしょうか。
ともに「新聞社の顔」と呼ばれるコラムですが、
2社の内容は切り口が異なっており、
そのことが比較して読むことで学べたことも
大きな収穫となりました。
同じ内容の記事でも、
新聞によっては、その切り口から
ときには、冷たさや悪意さえもが感じられることもあります。
新聞によって想定する読者層が異なり、
それが文体にも現われることも知りました。
新聞社によって政治的立場が異なったり、
主たる読者が異なったりするため、
何紙をとっているかによって、
その人のメンタリティを、
ある程度想定できる場合もあるので、
「お宅は何新聞をとっていますか」と聞くことは、
場合によっては秘匿したい個人情報にもなりうる……と
大橋先生は指摘されます。
その他、参加者の多くが栄養士とあって、
新聞で取り上げられる健康記事をどう読むかという
大橋先生から教えていただいた視点には
ハッとさせられた方は少なくなかったようです。
たとえば「長寿日本一の県」とか、
「世界平均寿命ランキングベスト10」とかという場合、
かならず、平均寿命が高い理由の1つに、
「野菜の摂取量が多い」「塩分が少ない」とかという
理由になることが多いけれど、
果たしてそれほど単純なものなのか……というモノの見方。
もしも、栄養士として、ある地域の平均寿命について
コメントを求められたとしたら、
やはりの平均寿命と摂取栄養素との関係を
指摘することになりそうです。
しかし、地域の平均寿命の要因を、
そう簡単に栄養素と結びつけてよいのかどうか。
仕事の内容、余暇の過ごし方、人生観、
家族との関係、近所の人との人間関係などなど……。
健康を支えている要素は、
「食」と「運動」と「休養」だけではないことを
大橋先生から、ここでも教えていただきました。
読売新聞での誌上相談に
≪人生案内≫というコーナーがあります。
そこに高校2年の学生が、「やせて告白したい。
どうしたら食欲をコントロールできますか」
という悩みを寄せたのに対して、
精神科の医師が、「BMIからしてやせる必要はない」
という趣旨の回答されていました。
これに対しても、参加者で気がついたことを指摘し合いました。
「やせる必要がある」と思ったから、
こうして相談をされている以上、
「やせる必要がない」と言い切るのはよくない。
それよりも、まずは「やせたいんですね」と
共感をすべきだったのでは……
という方向に向かったとき、
大橋先生はこう指摘されました。
「この人はやせることを相談しているのでしょうか。
告白をしたいのが目的でしょう。
それに踏み切れず、ウエートコントロールの話に
すり替えようとしているのではないでしょうか。
体重のことなどに触れないで、まずはプロポーズの方法を
示してあげるほうが、彼女の潜在ニーズに
沿っているのではないでしょうか」
そこで、大橋先生がご提案された回答例とは、
「告白するための〇箇条」。
たとえば……、
1.1日3回、カレとすれ違うようにする。
2.しばらくそれを続けたら、次に「お早う」
「さようなら」のあいさつをおこなう。
3. そこで知らん顔をされないようなら、
そこで「ちょっととお話したいんだけれど……」
「『そういう努力をしないで、体重の話にしてしまうあなたは
順序を間違えています。それは、問題から逃げることになりませんか』と、
ボクだったら回答しますね」と大橋先生。
栄養士だから、
食事の話、栄養の話、健康の話……と
自分で自分の回答さえをも、
狭めていたことを、一同実感されたことと思います。
もちろん私も。
今後、私たちが日々おこなっている食事相談、
健康相談の切り口が少し変化しそうです。
10時30分から午後5時30分までの
1日研修はいつもあっというまに終わってしまいます。
今後も輪読会はシリーズで大橋先生に
ご担当いただくことになっています。
テーマには、「先輩栄養士や食関係者が書く文章を読む」
「食に関係のある小説を読む」
「幸福や愛など、思想を語る文章を読む」
などが候補にあがっています。
「専門性」の中に閉じこもるのではなく、
バランス感覚のある一社会人として自分を磨くために、
先生にテーマを見つけていただきながら
学んでいきたいと思っています。
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「食品成分表」 ーデータの裏にある広い世界―
http://palmarosa.exblog.jp/17712338/
2013-01-28T23:47:00+09:00
2019-12-16T13:11:18+09:00
2013-01-28T23:47:45+09:00
palmarosaK
輪読会
2013年1月27日(日)、
栄養士・健康支援者ネットワーク「パルマローザ」主催による、
輪読会がスタートしました。
輪読とは、新明解国語辞典では、
「1つの本を当番の人が順番に読み進み、問題の箇所について
説明したりすること」としています。
パルマローザでは、
以前にも(2004年)、海外の文献をテキストに、
「輪読会」のようなものを開催したことがありました。
仕事の帰り、あるいはオフの日に集まり、
みんなでわいわい言いながら、
翻訳しながらの輪読会はそれはそれで楽しいものでした。
しかし、数年は続いたものの、
ただただ読むだけではマンネリになり、自然消滅……。
そのときの教訓として、
輪読会においても、
しかるべき講師が必要だと感じ、
今回は、大橋予暇研究所主宰の
大橋禄郎先生に講師をお願いをし、
今年は、シリーズでの開催とすることとしました。
今回は、「栄養士・健康支援者のための「読み込む力」演習①
ー「食品成分表」をフル活用しようー」というテーマで
食品成文表 2013年度版をテキストに1日輪読会をおこないました。
『食品成分表』をテキストに読み込むとは??
というこのテーマにひかれてご参加になられた方も多くおられました。
ご参加者の中には、この研修がなければ、
2013年度版の『食品成分表』を購入しなかったとおっしゃる方も!!
一同、赤色の食品成分表を手にした光景は
そうそう見られるものではありません。
表紙の裏、女子栄養大学の香川芳子学長の
「はじめに」と書かれた巻頭の文章から順番に音読。
食品成分表の表紙は、
水にぬれても強い材質を使っているというお話から、
東京大学大学院教授の佐々木敏氏による、
「もしも食品成分表が世の中になかったら……」という特集記事の音読、
そしてその内容についての検討……まで。
今まで毎年「食品成分表」は買い換えてはいたものの、
1つ1つをていねいに読んだり、
解説に対して疑問を呈したり、それを他の人と議論したりすることは
今まで一度もなかったように思います。
「食品成分表」は栄養計算をするために使うものと
思っていた……という方がほとんどの中、
大橋先生は、「食品成分表は宝の山。講演会、執筆、食事相談など、
いろいろのところで魅力的に使うことができる」。
世の中には、「食品成分表」は、
少なくとも20社から発行されていると聞いたことがあります。
女子栄養大学出版部の『食品成分表』は、
栄養士の多くが使っています。
ご本は2冊にわかれており、資料編がついているのが魅力。
「国民健康・栄養調査報告」、「学校保健統計調査」、
「国民衛生の動向」、「人口動態統計」、「「世界の統計」、
「簡易生命表」、「完全生命表」……などなど、
厚生労働省はじめいろいろの機関から発行されている健康に関わる資料が
収載されているため一度にその資料に目を通すことができます。
大橋先生からは、
これらの資料をどのように読んでいくのか、
そして、これらの資料を日常の生活に、仕事に
どのようにいかしていくのかをご教示いただきました。
1日では、『食品成分表』をすべて読み込むことは
できませんでしたが、
これを機に、いろいろのジャンルのご本を声に出して
読んでいきたい……と思われた方は少なくないと思います。
セミナー後のアンケートには、
こんな項目を設けました。
「あなたの愛読書は何ですか」
ほとんどの方が、
「愛読書はこれから見つけます」と
お答えになっておられました。
読書は自分の人生の礎にもなると
昔から言われることですが、
この輪読会を機に、
人生の愛読書となるご本を見つけていきたいと思います。
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中原中也と富永太郎
http://palmarosa.exblog.jp/5333286/
2007-05-05T18:39:00+09:00
2020-02-11T18:36:31+09:00
2007-05-05T18:39:54+09:00
palmarosaK
輪読会
2007年5月5日、
神奈川近代文学館で開催している
「中原中也と富永太郎展」に、
午後から出かけました。
今年、生誕100年、
没後70年を迎える詩人・中原中也、
そして中也の文学に決定的転機をもたらした
詩人画家・富永太郎という2つの個性と、
詩世界に焦点をあてる特別展であることが
パンフレットに書かれています。
中原中也という名前は知ってはいたものの、
30歳という若さで亡くなった彼の人生については
まったくといっていいほど知りませんでした。
そして、富永太郎という詩人のことは
今回の特別展で初めて知りました。
中也に影響を与えたとされる、富永太郎は、
1901年東京本郷で生まれ、エリートコースを進み、
中学を出た太郎は、
仙台の旧制第二高等学校に進学し、
人妻との不幸な恋愛事件が原因で仙台を去ります。
そして、以後、彼女のことが
太郎の生涯の詩のテーマとなったと説明が添えられています。
ともに、裕福な家庭で育ち、
才能豊かな2人が出会う……。
その出会いによって、
各自の持つ可能性がさらに飛躍する……。
24歳で亡くなった太郎が中也に抱いていた感情を
「嫌悪に満ちた友情」、
中也が太郎に抱いていた感情は
「反発と畏敬に満ちた友情」と
詩人の中村稔氏は述べておられます。
特別展を見終わった後、
中也の詩集を2冊購入しました。
しばらく、
中原中也の世界にひたってみようと思います。
中也の背景を知った後で読む詩と
以前とでは、
きっと何か違ったメッセージが聞こえてきそう……。]]>
https://www.excite.co.jp/
https://www.exblog.jp/
https://ssl2.excite.co.jp/