『P．S.アイラブユー』

アイルランドの作家、セシリア・アハーン著『ＰＳ．アイラブユー』（小学館文庫）を読みました。
著者が、アイルランド元首相の令嬢であること、
本作が２１歳で書かれたデビュー作品であること、
４２か国で５００万部以上出版されていること、
アパレル企業から届いた映画の招待券が、
これを原作とした
『Ｐ．Ｓ．アイラブユー』であったことなどなどが興味を持った理由です。

主人公は、３０歳になるホリー・ケネディ。
夫、ジェリーを病気で亡くしたところから
物語は、過去と今を交錯しながら進みます。

夫を亡くし、生きる気力を無くし、
落ち込むホリーに、１０通の手紙が届きます。
封筒には、「リスト」と書いてある。

それらはジェリーからの手紙。
１か月に１通、読むようにと指示された手紙によって
ホリーは、じょじょに自分らしさを取り戻し、まるでジェリーがすぐそばで見守ってくれているかのような錯覚にもなります。そしてどの手紙も最後にかならず、「Ｐ．Ｓ.アイラブユー」とジェリーからのメッセージ。

ジェリーからの最後の１通を開封するとき・・・、
その手紙１通１通が、いかに自分の生きる力になっていたかを
確信します。愛する人を失って失意の状態にいる人が
文章の力によって、こんなにも強く、立ち直るまでになることを
証明してくれたようにも思いました。

亡きあとのホリーのことを考え、行動していたジェリー。
愛する人を残して、あと数か月と余名を言い渡された人の
気持ちはいったい・・・。
そして、ホリーは、未来に向かって歩いていこうと決心をします。

会津若松から横浜までの車中で読み終わりました。
愛する人が亡くなったという事実を受け入れ、
そして、未来に向っていくホリーのこれからの人生にもとても興味を持ちました。
アイルランドのパブ、街並み、大自然を楽しむために、
この秋もしばらく映画館通いは続きそうです。
★お写真はアイルランドで撮ったものです