人生という航海を楽しもう。

そのとき、わたしは、「日本丸」という豪華客船で、
講師として乗船していました。
総トン数、21.903トン、乗客定員、184室 532名。
「食」の日本丸と言われるだけあって、
お料理は素晴らしくおいしかったことを覚えています。
５年前のことです。

晴海ふ頭から、神戸までの客船に乗ってのお仕事が、
人生で初めてのクルーズ。
東京から神戸までは、飛行機に乗ると、
フライトタイム１時間ですが、
船は、２日間かけてクルーズします。
ゆったりと、あせらず、洋上を。

船の仕事をお引き受けさせていただいたことで、
見るもの、聞くもの、大勢のお客様とご一緒に
お食事やお茶をさせていただくことは
何もかも新鮮で、そしてとても楽しいお仕事でした。

お客様は、ご年配の方が多く、
みなさま、それぞれのおしゃれを楽しんでおられました。
「夫を昨年亡くしましてね……」と
お一人でご参加なさっておられるご婦人の
方もおられました。

たくさんのプログラムが用意され、参加は自由。
船の旅、病みつきになられる理由がよくわかります。
TPOにあわせたドレスコードを楽しんでおられる
人生の達人たちから直接学ばせていただけるのも嬉しい。

それぞれの人生を積み重ねてこられた方々の
お話しや、世界１周クルーズの
お話しをうかがったり、ご一緒に
お食事に同行させていただいたりすることで、
いろいろのご縁をいただいたことがとても懐かしく思います。

目的地までの船旅を楽しむ＝旅のプロセスを楽しむ
クルーズの醍醐味であると思います。
お客様の健康づくり、生きがいづくりに関わらせて
いただいている栄養士のわたしにとって、
クルーズは、「食事相談」と通ずることが満載の旅でした。

その経験で得たことを、
栄養士ネットワークや、栄養士人材育成制度に
いかせているのではないかと思っています。

「人は一生涯、自分という名の人生の旅人である」

その旅を、辛いと思うか、楽しいと思うかは自分しだい。
だったら、楽しんでその旅に、挑んでいきたいと思います。
１人ではなく、みんなで。
これからも、旅の楽しみを、
みんなで分かち合っていきたいと思います。