2007年5月5日、
神奈川近代文学館で開催している
「中原中也と富永太郎展」に、
午後から出かけました。
今年、生誕100年、
没後70年を迎える詩人・中原中也、
そして中也の文学に決定的転機をもたらした
詩人画家・富永太郎という2つの個性と、
詩世界に焦点をあてる特別展であることが
パンフレットに書かれています。
中原中也という名前は知ってはいたものの、
30歳という若さで亡くなった彼の人生については
まったくといっていいほど知りませんでした。
そして、富永太郎という詩人のことは
今回の特別展で初めて知りました。
中也に影響を与えたとされる、富永太郎は、
1901年東京本郷で生まれ、エリートコースを進み、
中学を出た太郎は、
仙台の旧制第二高等学校に進学し、
人妻との不幸な恋愛事件が原因で仙台を去ります。
そして、以後、彼女のことが
太郎の生涯の詩のテーマとなったと説明が添えられています。
ともに、裕福な家庭で育ち、
才能豊かな2人が出会う……。
その出会いによって、
各自の持つ可能性がさらに飛躍する……。
24歳で亡くなった太郎が中也に抱いていた感情を
「嫌悪に満ちた友情」、
中也が太郎に抱いていた感情は
「反発と畏敬に満ちた友情」と
詩人の中村稔氏は述べておられます。
特別展を見終わった後、
中也の詩集を2冊購入しました。
しばらく、
中原中也の世界にひたってみようと思います。
中也の背景を知った後で読む詩と
以前とでは、
きっと何か違ったメッセージが聞こえてきそう……。