児童合唱団に在籍していたころは。

姫路市児童合唱団に
小学４年生から６年生まで在籍していました。
何が楽しいって、友達が増えたこと。

通っている小学校だけでなく、
市内から集まっているいろいろの小学生と友達になれる。
そしてみんな歌が好きという共通点がある。
毎週末、歌のレッスンに通いました。

そして、地元はもちろん、
大分県、岡山県、岐阜県など遠方に
演奏旅行に出かけ、
いろいろの県の児童合唱団と交流をはかりました。

あるとき、先生のご提案で、
ミュージカル仕立てのものに挑戦しようということになりました。
『安寿と厨子王』の話を題材に。

そのとき、安寿役の女の子と
厨子王役の男の子、子どもたちのお母さん役の
オーディションをおこなうことになり、
その結果、わたしは！！
その他大勢の、海の精、森の精の役に。

『安寿と厨子王」』は涙を誘うお話なのですが、
「ザバザバザバ、ザバダバザダバ……ザバザバ……」と
呪文のように繰り返し、ひたすらお家で練習するたびに
家族はゲラゲラ笑っていたことを覚えています。

合唱団はチームプレイ。
アルト、メゾ、ソプラノと、どのパートも大切。
その他大勢の役のわたしは、めだってはいけない。
主役は、あくまでも、安寿と厨子王、そしてお母さん。

当時は、主役になった同級生がとても羨ましく、
「海の精なんて！森の精なんて、単なる木じゃない！」
と思っていた当時小学５年生だった女の子は、いま。

いまもサポートというポジションは変わらない。
けれど、変わったのは、そのポジションに対して誇りを持っていること。
心からそのポジションを楽しんでいること。

アルバムに写っている、
大勢の中の１人、
一生懸命歌っている
その女の子に久しぶりに出会ったわたしは、
いまの気持ちをその女の子に伝えてあげたい、
そんな気持ちになりました。