
2006年6月某日、午後、
日本橋にお仕事のお打ち合わせに伺いました。
日本橋って実はとても思い入れがある街。
大学入試で初めて東京に出てきた私の世話を
してくださった、
遠い親戚がこの街に住んでいたから。
ご商売をなさっていたその家は、
それは、それはとても厳しいお家でした。
おば様の考え方は10代の学生にとって、
「へぇ?! 今どき?」
なんて、思うことも多くありました・・・。
「なおちゃん、大学を卒業したら、お見合いをしなさい。
お仕事は、女性はがんばりすぎないほうが幸せよ」
正直、いつもこの手の話は、辛かったため、
その後、すっかりご無沙汰することに……。
久しぶりに訪れた日本橋は、
ずいぶん変わっていました。
さらに、近代的になったみたい。
日本橋のデパートに、
ご一緒させていただいたときのこと。
ディスプレイされている洋服を、
まずは値札から先に見る私に、
「なおちゃん、まずはお洋服を見なさい。
最初に値札から見るなんて、洋服に失礼でしょ」
今でも強烈に覚えているこのシーン。
そのことに、恥ずかしくなって真っ赤になっていた私。
いいものを見る目を鍛えてもらったかな、
と今ではそう思います。

おば様が住んでいた日本橋で、
お仕事のご依頼をいただく……。
ご縁だわ……と思います。
今お目にかかっていたら、
なんておっしゃるだろうか……。
日本橋の街を歩きながら、そう考えていました。