「どの路線が乗務していて好き?」
クルーの間でよく話題になりました。
沖縄、鹿児島など、
どちらかというと、観光路線のほうがお客様が
くつろいでいらっしゃるその雰囲気が好き、という人が
多かったように覚えています。
私は、羽田から伊丹までのフライトが一番好きでした。
フライトタイム30分、満席、天候は悪い、そのなかで
お客様にくつろいでいただくためにどうしたらいい?
みんなでブリーフィング。
時間との戦い、
約500人、そのほとんどがビジネスマン。
その緊張感が好きでした。
あっというまに到着地へ。そして一期一会。
目的地は同じなのに、みんなこれから向かう
行く先はその人それぞれ。
12年前のきょう、ラストフライトを迎えました。
当時は、ラストフライトは
好きな路線を選ぶことができました。
もちろん、羽田⇔伊丹を往復乗務。
いつも見なれている空なのに、
いつもおこなっている業務なのに、
ひとつ、ひとつが、新鮮でした。
そして、いまは……。
「みなさま、ご搭乗お待たせいたしました。
本日は私ども、パルマローザエアラインに
ご搭乗いただきありがとうございます。
途中、谷あり、山あり、乱気流あり、
いろいろなプロセスを通過いたします。
そのプロセスをご一緒にお供させていただく、
この便の担当クルーは、全員栄養士でございます。
それでは、食コーチングの目的地、ハッピー空港まで
どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ」