2014年のゴールデンウィーク後半の初日、<br>5月3日(土/祝日)に<br>「<strong>栄養士のための古書店めぐりセミナー</strong>」を開催しました。<br>(主催 パルマローザ ガイド 大橋禄郎先生<br> 時間 11時~午後8時)
昨年から大橋先生には、<br>「栄養士・健康支援者のための輪読会」の講師として<br>お出でいただいています<br><br>私たち栄養士が<br>「読んでおいたほうがよい本」や<br>「資料価値のある本」などをご紹介いただいたり、<br>『食品成分表』のようなデータものにも<br>読み方があることなどをご指導いただいたりしています。
今回は、私たちにはそれほど馴染がない<br>古書店での「食」関係のご本の選び方、<br>買い方を、先生にご伝授いただきました。<br>東京の神田神保町は、<br>昔から「古本屋さんの街」として知られています。
学生時代、何度か単発で古本屋さんで<br>アルバイトをした経験があります。<br>そのとき、古本の値段が、<br>新刊本の定価に比べでとても安くて驚いたものです。<br><br>アルバイトでいただいた日当は、<br>その古本屋さんで見つけた<br>料理本などで消えてしまったことは<br>いまでは懐かしい思い出です。
庶民的な洋食レストランがあったり、<br>老舗のステーキ屋さんが健在だったり、<br>昔ながらの文房具屋さんがあったり、<br>竹橋の方向へ少し歩くと、<br>重厚なつくりの建物「学士会館」があったり。<br><br>神保町のイメージをあげよといわれたら、<br>「成熟したおとなの街」<br>という答え方もできそうです。
さて、11時に神保町交差点<br>岩波ホール看板下に集合。<br>一行は、「食」の専門書を多く集めている<br>「鳥海書店」を目指します。<br>参加者が驚いたいたことの1つに、<br>「食関係をそろえている古書店が存在する」<br>ということです。
食の本以外では、<br>動物・生物、釣りなどの関連書、専門書をそろえていました。<br>店名の「鳥海」は単なる屋号。<br>別に小鳥や海の本の専門店ではないのですが、<br>それでも、ダイビングや釣りの本が多いのは<br>不思議な偶然でした。
食関係の本の中には、<br>女子栄養大学出版部発行の本もあり、<br>その反対の書棚には<br>大橋先生の写真も使われている<br>フィッシュウォッチングの本が並んでいる、<br>おもしろい偶然でした。
<br>ちなみに、お1人が、<br>一瞬「食」から離れて、<br>「フィッシュウォッチング」<br>(海水魚の水中観察)の本を<br>お買い上げになりました。<br><br>その書店は、<br>11名の参加者が入ると<br>通路は渋滞して身動きしにくい。<br>別の書棚の裏側を遠回りして、<br>移動しなければなりません。<br>
そんな中に2時間近く滞在。<br>レジにも私たちだけの行列が。<br>店主らしき人に「久々の満員状態ですか」と<br>大橋先生がお声をかけると、<br>店主は、「いや、初めてです」
書物には、古くなっても価値を失わないもの、<br>むしろ価値が増すものが少なくありません。<br>データのように、時代とともに更新されるものでも、<br>ときに、<br>より古いデータがほしくなることがあります。
私自身、以前購入した食関係の古書を<br>講演会の資料の一部として使ったり、<br>料理教室で話題提供として使ったりしています。<br>辞典なども、昔はどんな定義をしていたか、<br>というようなことに興味を感じ、<br>大いに活用しています。
ご参加のみなさまのほとんどが<br>古書店は初めてという方。<br>そのためか、たくさんの古書を前に、<br>「どれを買っていいかわからない」という人も。
そこで、大橋先生が、<br>「この事典は買っておいたほうがいい」<br>「これは絶版になっている本だけれど、<br> いまの本より情報が多いから使える」<br>「講演会の話題づくりに使えるかも」<br>などとアドバイス。<br><br>気がつけば、最初戸惑っていた人も、<br>両腕でかかえるほどの冊数を購入されていました。
みなさまがお買いになったご本の一部。<br> 1.『つれづれ日本食物史』<br> 2.『たべもの・料理辞典』<br> 3.『西洋料理百科』<br> 4.『和食のすべてがわかる本』<br> 5.『人類学者のクッキングブック』<br> 6.『朝鮮の食べもの』<br> 7.『年中無休』 <br> 8.『養生訓』<br> 9.『飲食辞典』<br>10.『香料の事典』<br>11.『食の文化史』<br>12.『日本の食・100年』<br>13.『食からみた日本史』<br><br>これらを手にしたみなさまのお顔はさわやかで、<br>知的な輝きが……(?!?!)
参加者の中には、<br>「この企画がなければ、<br> 神保町は一生ご縁がなかった場所です」<br>とおっしゃる方も。<br><br>10冊購入した私の場合、<br>それでも1万円ちょっと。<br>貴重な書物のお値段としては、激安かも。<br><br>ここでは消費税は内税なのか、<br>そういう計算を、しばし忘れていました。<br><br>新刊と異なり、冊数がそろっているわけではなく、<br>1冊の本をめぐって争奪戦も<br>繰り広げられるなど<br>この1日は多いに知的好奇心を<br>アップさせることができた<br>ゴールデンウィー初日となりました。<br><br>ランチタイムは、<br>東大OG御用達の「学士会館」で中華料理をいただき、<br>その後、神保町といえば、<br>紅茶の専門店「高野」で、<br>ナッツミルクティーとババロアをいただきます
とくに高野さんは、<br>学生時代に通っていたころと変わらない味にも感激しました。
神保町界隈では、<br>一同は、先生のおすすめの画材店の老舗「文房堂」で<br>ポストカードやノートを買ったり、<br>書物と文房具で知られる「三省堂」(さんせいどう)で<br>アジサイをあしらったボールペンを購入したり……。
聞けば、食事相談のときにそのボールペンを使うとか!!<br>クライアントの心も<br>きっと和まれることでしょう。
少し早いお夕食は<br>神保町から歩いて15分ほどの<br>水道橋駅にある、トンカツの老舗「カツ吉」。<br>ここのトンカツは、東京で一番おいしい!!<br>とご存じの方はみなさまおっしゃる。
特上ロース(またはヒレ)定食を頼み、<br>おいしくいただきました。
「栄養士の夕食がトンカツですか?!!」<br>と、おっしゃっていた方も、<br>「こんなにおいしいんですね。トンカツって」<br>と、お顔がほころんでおられたのも<br>嬉しいことでした。
この4月から5月にかけて<br>私たちは、日本初、いや世界で初のツアーを2つ経験しました。<br>1つは、この古書店めぐりツアー、<br>もう1つは、4月20日の「栄養士・健康支援者のための落語セミナー」<br>ゴールデンライフ後半はまだまだ続きます。<br>「お後がよろしいようで……」