メイクアップはモチベーションアップ

現在開講中の
「健康支援者のためのリーダーシップゼミナール」では、
立ち居振舞い、メイクアップ、
話し方、文章、講演技法などについて、
それぞれの分野の４人専門家からご指導いただいています。

その成果は、受講生のメイク、
ファション、立ち居振る舞い、話し方などに
はっきりと現われてきました。

ほかの業種から栄養士なった当時から、
栄養士は自分自身の身だしなみについて
あまり関心がないことが気になっていました。

それは、「もともと地味な職業だから」
ということで済ますことではなく、
社会参加への意欲不足にもつながり、
栄養士の社会進出のブレーキになりえます。

そこで、栄養士非営利サークル
「パルマローザ」主催のセミナーでは、
メイクアップ講座については
２００６年から定期的に開くことにしました。
ところがこういうセミナーには、
意識の高い人ほど集まりやすく、
本当に参加してほしいと思う人は素知らぬ顔。
それが現実というものでしょう。

そこで、昨年４月にスタートした
「健康支援者のためのリーダーシップゼミナール」では、
１年間のカリキュラムの中にメークや身だしなみなどの講座を
どうしても入れたいと思っていました。
２月６日の
「健康支援者のためのリーダーシップゼミナール」では、
「リーダーシップのイメージアップとメークアップ」の実習。
講師は、デパートやご自分のスタジオなどで
メイクコーディネートのお仕事をされている
塚本富美枝先生。

先生から、当日持参していただきたい２３点のメークグッズのリストが、
出席者全員に事前に示されていました。
この時点で、「メークブラシがない」
「ビジネスメークで必要なブラウン系のアイシャドーがない」
「コンシーラーがない」
「スパチュラを持っていない」などと、
あわてた人もいらした様子。
当日は、持参したはずの基本メークグッズ２３項目のチェック。
「メイクブラシ」を「ヘアブラシ」と
理解して持ってこられた人もいらしたりして、
準備性の一端が垣間見られたり。

塚本先生はこんなお話をされました。
先生が病院やクリニックで栄養士から食事相談を受けたときのエピソード。
１．人間ドックを受診し、オプション料金を支払って食事相談を予約したものの、
　予定の時刻に栄養士が現われない。
　遅れて現われた男性栄養士はサンダル履き、
　髪はボサボサ、白衣も「白衣」ではなく、
にもだらしがない。
　しかしともかく、心配していた検査値に関して尋ねると、
　「そんなに心配なの？」と、横柄な態度。おおいに憤慨したとか。
　
２．ある病院の看護師がいつも厚化粧でつけまつ毛をしている。
　白衣に合うメークについて、少しは考えてほしい。
　メイクにもＴＰＯがある。　

ご講義の後半は演習。

「メーク道具の中でいちばん大切なのは何だと思いますか」
と先生。みなさん、いろいろと答えましたか「ブー」。
正解は「鏡」でした。

みなさんが持参された鏡はコンパクトサイズから、
ふだん、お家で使っている、しっかりしたものまで。
１．なるべく自然光でメイクをすること。
　　蛍光灯の下でメークをすると厚化粧になりがち。
　　その場合は、あとで自然光で要チェック。

２．鏡は鉛が入っていないものを使用する（青みを帯びるから）。
　　なるべく自然光で見える顔色と同じ顔色にするため。
興味深かったのは、
「口角が下がっています！」
といつもご指摘されていた方が
ご自分がモデルになって、プロの方にご指導をいただくと、
まるで別人のようにすてきな、温かいナチュラルメークに変身。
みなさんの感嘆の声を聞いたとたん、
笑顔にあふれ、口角まで上がっていたのには驚きました。
「私なんてメークは……」
とおっしゃっていたのに、
翌日、私宛のメールで、
「今度、塚本先生のお宅でのメークレッスンを受ける予約をしました」と。
メイクアップはモチベーションアップ、
そこからますますアクティブな行動様式が身につく予感。
今回、２３名の方々のメーク用品を見せていただけたことも
お互いよい刺激になられたようです。
「表情や身だしなみは、自身の環境であるとともに、
周囲の人の、さらには社会の環境でもある」
……このことを実感した１日でした。